スーパーのレジ


大学生になって好きなようにバイトができるようになった。 そこでわたしが最初にしたのが庶民的なデパ地価のスーパーのレジ。 昔から一度はやってみたい学生アルバイトの定番である。

時間がフレキシブルな学生は大抵夕方から閉店までの時間帯にバイトする。 わたしも4時半から閉店の8時までバイトすることになった。 初めてのバイトらしいバイトで最初はウキウキして張り切っていたが、 実はレジというのはかなり大変だということが徐々に分かることになる。

まずレジの操作を覚えるのにけっこう時間がかかる。 でも慣れないうちは一生懸命なので時間があっという間に過ぎていく。 でも慣れるとものすごく時間が長く感じる。定位置に立ちっぱなしなので どんどん足がむくんでくる。絶対ヒールのない靴で挑むべし。

閉店が近くなってくると鮮魚生肉コーナー、お惣菜が安くなる。 最初は100円引きとやさしい値引きから始まって閉店1時間前には 半額セールの叩き売りに変わる。 でもレジにとってはこの値引きはけっこうめんどくさいのだ。 人によっては値引きシールをが貼ってある商品を集中的に買ってゆくので、 カゴいっぱいに買い物している人より時間がかかったりすることもある。 そうか、前の人のレジが終わる早さは量より質なのか。

一つ一つシールを見逃さないように、20円引きなのか20%オフなのか間違えないように、 なおかつお客さんをあまり待たせないよう、手早く正確にレジを打つ。 そしておつりを渡し間違えないように2度3度チェックしてから渡す。 一見気楽な単調作業のようだが、「いらっしゃいませー」の笑顔の中の目は 鋭い。

値引き札をバーコードの近くに貼ってくれれば分かりやすいものの、 そこの店では適当なところにぱぱっと貼られていたので、 商品の正面をちゃんとチェックしないと見逃す恐れがあった。 間違えると会計を済ませた後にお客さんに言われてすみませんと 恐縮しつつ、次のお客さんを待たせながら返品処理をすることになる。 2人のお客さんのプレッシャーの板ばさみになって汗たらたら。

ようやく仕事を終えてレジを閉めると最後に自分で清算しなければならなかった。 最初はバイトの人はやらないことになっていたのだが、 誤差を認識して少なくするためか、始めて数週間過ぎる頃に バイトもレジ清算をすることになった。 おつりの渡し間違いなどで1000円以上の誤差が出ると、 半額自分の給料から引かれるという制度だった。

これがなかなか嫌ナ作業なのだ。 もちろん一所懸命間違えないようにしてはいるのだけど、 度々誤差が出る。 この誤差がマイナスと言うことは店側に損益を与えていることになるので、 お店に対して申し訳ないし、気まずい。 不思議とプラス(おつりを少なく渡す)ということは 滅多にない。でもそのほうがまだ良心が痛まないのだけれど。 わたしはそんなに誤差が出ることはなかったけれど、 1度だけ1000円以上出て500円ほどバイト料から差し引かれたことがあったっけ。 お金が絡む仕事って言うのは精神的につらいなーと実感したバイトだった。

3ヶ月くらい続けたが、大学の帰りが徐々に遅く不定期になってきそう だったし、当時最後のレジ清算が嫌でそそくさと辞めてしまった。

大学入学以来初めてのバイト。わたしは銀行員には向いていない、 入学したのが経済学部じゃなくてよかった。

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