塾講師


大学生活にも慣れ、そろそろまた何かバイトを始めようかなー。

土日のどちらかを週1でもやとってもらえるところを 探したところ、塾講師というのがあった。 勤務時間は土曜の午後5時から10時まで、個別指導員とある。 場所はちょっと遠いけど、家庭教師と違い週1回まとめてできるので なかなかおいしいバイトだ。

さっそく受話器をまわし面接の予約をとる。 何かテストでもあるのかな〜〜と思っていたら何もなかった。 こんなに簡単に経験もない人を先生にしてよいのだろうか。 わたしが教えてもらう立場だったら詐欺に近いような気がする。むむう。 それにしても塾長というのはどうしてこう癖ありげな人ばかりなのだろう。

個別指導は各生徒が持ってきた宿題やこちらが用意したテキストを 生徒がまず解いて適当なところで「どう?」と声をかけて 分からないところを教えるというものだった。 生徒は小学生から浪人生までと幅広かったが、回答さえあれば 自力で解く必要もなく、説明するだけなのでなんてことはない。

鍵を渡されて完全に自分一人で営業するのでわたしと生徒だけ。 先生は1人、生徒は平均3〜4人くらいで、 生徒がさぼって人数が少ない日はとても楽。 気兼ねもいらず、暇な時間はこっそり職員室に隠れて 雑誌なんか読んでたりとなんとも気楽だった。

それまでわたしは教師とかは向いてないんではーと思っていたが、 意外とこのバイトは楽しかった。生徒はみんな良い子で、 若さというものがキラキラ輝いていた。 ああ、若い子とふれあうってのはいいねえ。若さとは可能性だよ。 大学生ながらに年を取った自分を痛感した。 人生先が見えてきてもう無限の可能性を秘めたきらめく未来というのもないしー。 (いやいや人生常にどこでどうなるかわかんないよ)

経験もない初心者のペーペーなのに先生と呼ばれる。 心ではいやいやそんなたいしたもんじゃないのですよと恐縮しつつ、 ほのかな快感を覚える。そうか、先生っていきなり先生になるのか。 見習いでも先生。んんん…なんだか今までいろんな先生に ごまかされてきたような。

とにもかくにも自給もいいし、先生と呼ばれよいバイトだった。 一度教師の道を歩んだら転職は難しそうだ。

飽きっぽいわたしにしては最長の1年という記録を誇った。 大学が忙しくなり、場所が遠いで電車で1時間かけて通うのに疲れてきた ところで辞めた。バイトはある程度行くのがおっくうになってきたところで 辞めるのだ。アルバイトはなるべく楽しく経験するというのがポリシー。

このバイトは本当にいいバイトだったけど、通勤時間が長いというのは 日に日にけっこう大変なことだと実感した。怠け者な人は仕事場は近いに限る。

今度バイトをするときは自転車か徒歩で楽に通えるところに しようと思った。

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