家庭教師

塾講師で味をしめた私は、夏休みを利用して短期の家庭教師のバイトを してみることにした。夏休みの間丸々実家に帰省するクラスメートから譲り受けた。 普段なら夜だけれど、生徒も夏休みなので昼にできるし 短期バイトなので気楽だ。

自転車で20分ほどかけたところに通ったのだが、夏なので 到着する頃には汗だくになっていた。生徒宅に上がる前にとりあえず 顔の汗を拭く。悲しいことに生徒の部屋にはクーラーがなかったため、 その後も汗を流しつつ、時々かかる回る扇風機の風だけを頼りに 2時間授業を続行していた。

子供部屋にクーラー、それはとっても贅沢だ。 でも家庭教師宅にはあって欲しいナと痛感した。 夏の家庭教師はクーラー付に限る。

生徒は中学2年生の男の子で野球部員だった。 部活動が忙しいため、塾になかなか通えないので家庭教師を 雇っているらしい。ふむ。

塾の個別指導と違うのは生徒が自分で問題を解いている間暇 なのだ。塾ならその間他の生徒を見て廻ったり、事務室でのほほんと 過ごすのだけれど、1対1の家庭教はやることがない。

生徒が問題を解く所をじいぃっと見続けるのもプレッシャーになるかと 思い、おもむろに窓の外を眺めたり。お、学校が見えるぞ。 部屋を見渡すと本棚には漫画がいっぱいある。ちゃんと1巻から順に並べられている。 親のしつけなのか、几帳面なのか。部屋がとてもきれいだ。前者とみた。 ポスター貼ってないなあ。好きな芸能人とかいないのかな。 野球一筋だからアイドルよりも長島なのかな?

などと余計なことばかり推測しているうちに生徒が問題を解き終え、 今度はわたしが答え合わせをしながら解説する。 手持ち無沙汰な時間よりも解説しているときのほうが仕事してるって 感じでよかった。 バイトっていうのは忙しくても大変だけど、 暇なのもつらいんやね。というか何もしてないのに お金もらっていいんだろうかと罪悪感を覚えてしまう。 怠け者の割に根が真面目なんだな、私って。

余談だが、家庭教師で教える子は学校の授業レベルに遅れている子か、 かなり進んでいる子のどちらかが多かった。 受験生かそうでないかはけっこう大きな差があるという。 受験生だと大変だけどその分やりがいがある。受かれば両親から エキストラなお礼ももらえるらしい。

とにもかくにも家庭教師も楽しかった。人に何か教えて、 相手が何かできるようになるのってうれしい。 実はわたし先生って向いてるのかなーっと調子にのる。 教師かあ・・でも 学校の先生ってものすごく大変だよなー。生徒からはなめられるし、 いたずらにも会うしね。

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