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大学生の春休み、一枚のチラシが舞い込んできた。 駅前の料理教室のもので、特別にパン講座の無料体験をやっているという。 なんと材料費も無料!!ケーキ屋のバイトをしていたので 借りているエプロンもあることだし、これは行かなきゃ損〜♪ と早速友人を誘って行くことにした。 講座は社会人のためにか夜6時頃からスタートだった。 中に入ると若い先生が2人いて、実際に教室に通っている人達と 一緒にパンを焼くそうだ。早速始めましょう、と先生達の言うとおりに 皆で一緒にパンをこねて、発酵や焼いてる間にパン作りについて お話を聞いたり、なかなか楽しいじゃないの。 焼きあがったパンはその場で試食。ん〜デリシアス。 無料で教わってパンを食べて、その上片付けもしなくていいのかしらん。 … いいわけなかった。 お土産のパンも包んで帰り支度を整え、じゃ、楽しかったです〜 と帰ろうとしたその時。 先生がパンフレットを差し出した。 それは入会案内についてのもので、各種コースや金額についての 説明が詳しく書かれていた。 パンコース: 4ヶ月10万円 た、高…!! 最初から全く入会する気のなかったわたしは あっさり断ったけれど、相手はあっさり引かなかった。 料理を指導していたのは2人だったのに、 奥のほうからもう2人ほど出てきて、そこから1時間程 入会への執拗な勧誘が始まった。 先生は皆笑顔だが、目は笑っていない。 そのうち絶対料理を習っててよかったぁって思うときが来るわよ〜ぉ、 学生さんはもちろん、いろんな人が習いに来てるのよ〜ぉと 時折強くなってしまいそうな口調を必死で抑えているのが うかがえた。狼4に子羊2というこの体制。こわい… 繰り返されるセリフを聞きながら、ああ無料ほど高いものはないって 本当なんだねと実感しつつ、やんわりやんわり断リ続けた。 最後に、じゃよ〜く考えてねぇ、1週間後に電話するからそのときに 返事してくださいねぇと言われてやっとスタジオを後にすることができた。 もう夜の10時だよ…。 申し込みの時に電話番号を教えてしまったので、 それから2週間ほど電話線は切っておいた。 世の中そうそううまい話はないのです。 商売が成り立っているということはどこかで 相手側に利益が上がっているということです。 もしも罠にかかってしまった時はとにかく逃げましょう。 |